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2009年2月26日 (木)

千駄木庵日乗二月二十五日

午前は父母のお世話。訪問看護師の方と共なり。

この後、ケアマネージャの方などと父母の今後の介護について相談打ち合わせ。ホームヘルパーの数が不足していることが大きな問題である。報道されている通り、仕事がきつい割には報酬が少ないので、長く続く人が少ないとのことであった。特に土日に仕事をすることが不足している。困ったことである。

昼は、知人と懇談。

午後は資料の整理。

午後六時半より、駒込地域文化創造館にて「萬葉古代史研究會」開催。小生が、橘諸兄(たちばなのもろえ)・大伴坂上郎女(おほとものさかのうえのいらつめ)の歌などを講義。

         ○

今日は次の歌を講義しました。

「左大臣橘宿禰の詔に

應(こた)ふる歌一首

降る雪の白髪までに大君に仕へまつれば貴くもあるか

(三九二二)」

(降る白雪のように、髪が白くなるまでも、大君にお仕え致しまれば、本当に畏れ多くもかたじけないことでございます」という意)

左大臣橘宿禰とは橘諸兄のことで、橘諸兄は、敏達天皇四世の孫・美努王の御子で、天平八年に臣籍に降下し、母方の姓を名乗りました。以後、右大臣・左大臣・太宰府長官などを歴任しました。この歌は、天平十八年正月、元正天皇の御所で催された祝賀の宴で、天皇の御命令に答え奉って詠んだ歌であります。二十歳で官職についてから、五十年以上大君に仕えた人です。この歌は、その実感を詠んだものです。

謹みの深さがあり、重厚な品格もあり、天皇の臣下としての矜持をつつましく謳いあげた素晴らしい歌であります。この歌は、天皇の御前で朗々と歌われた歌であります。そこに素晴らしい美的空間が生まれます。その美しさ、荘厳さが、そのまま「まつりごと」なのであります。

今日、毎年新年に、宮中歌会始の儀が執り行われます。上御一人はじめ、皇族方の歌が朗々と唱えられます。歌人そして一般国民の歌も披露されます。しかし、内閣総理大臣以下、天皇にお仕えする臣下の歌は披露されません。第一、歌を詠む政治家は全くいないと言っていいのではないでしょうか。今の政治家・権力者は醜い政争・権力闘争ばかりに明け暮れて、日本の傳統を忘却しているのであります。こういうところに、現代日本の混迷の原因があると思います。

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