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2009年1月 9日 (金)

千駄木庵日乗一月八日

未明、『月刊日本』に連載中の萬葉集講義の原稿完成、送付。

午前は母のお世話。

正午より、池袋にて、「萬葉會」の新年会開催。「萬葉會」は萬葉集の毎月第三木曜日に豊島区立千早地域文化創造館で十年ほど前から開かれている萬葉集の勉強会です。小生が萬葉集を講義しています。

その後、病院に赴き、入院中の父に付き添う。主治医の方から状況の御説明をいただく。

帰宅後は、「政治文化情報」の原稿執筆。

        ○

 『萬葉集』は、全二十巻・約四千五百首。「記紀・萬葉」と並び称される所以は、萬葉集が記紀と並んでわが國の文字通りの「古典」だからである。ここにいう「古典」とは、ただ単に江戸時代以前の歌集という意味の「古典」ではなく、天皇國日本形成の精神即ち日本國體精神をうたいあげた歌集といふ意味の「古典」である。「古い時代に著された、長年月にわたる批判に耐えて伝えられ現代でも文化的価値の高い内容の書物」という意味とともに、天皇国日本の中核的な伝統精神が示されているといふ意味である。

  編者の大伴家持は、日本の国の国柄の素晴らしさを後世に伝えなければいけないという使命感を持って、『萬葉集』の編纂に関わり、自らも歌を数多く詠んだのである。『萬葉集』は平穏無事の時代に編纂されたのではない。『萬葉集』は、大化改新・壬申の乱・白村江(はくすきのえ)の戦いの敗北(唐新羅連合軍と日本百済連合軍の戦い)という國家変革・激動・外患の危機の時期の歌集であり、國難の時期に如何に当時の日本人が日本國體精神を讚仰し道統を継承し、それを元基として國難を乗り越えたかが、『萬葉集』を読むと分かる。

 『萬葉集』には天皇国日本が様々苦難を経ながら国家体制が確立した時期である大和時代から飛鳥奈良時代を経て平安朝初期にかけての「時代精神」「国民精神」が歌われている。上は天皇から下萬民に至るまでの歌が収められている。国家的危機にある今日においてこそ、「萬葉集の精神」に回帰する必要がある。

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