« 千駄木庵日乗十二月二十七日 | トップページ | 千駄木庵日乗十二月二十九日 »

2008年12月29日 (月)

千駄木庵日乗十二月二十八日

午前は父母のお世話。訪問看護師の方と共なり。

午後は、上野公園の上野の森美術館で開催中の「没後四〇年レオナール・フジタ展」参観。レオナール・フジタ(藤田嗣治)は、私の好きな画家の一人である。今回は、初期の作品そして有名な乳白色の裸体画・自画像と共に、本邦初公開の晩年の宗教画が多数展示されていた。フジタと言うと裸体画が有名だが、キリスト教徒となった晩年のフジタのイエス・キリストやマリアなどを描いた宗教画はみな見事な作品ばかりで、宗教的エクスタシーを感じた。

戦時中、日本に帰国していた藤田が戦争画を描いたことが、戦後になって批判された。多くの画家が戦争画を描いたのに、フジタだけが責められた。文壇においても、中河与一が戦争協力者として糾弾され文壇を追放された。その中河与一と藤田は非常に親しかった。日本人の西洋画家としては、フジタが最も優れていたと思う。その次が、佐伯祐三であろう。そうしたことが、画壇から嫉妬を買ったという見方も成り立つ。

夕刻、地元の友人たちと忘年会。

帰宅後は諸雑務。

          ○

また中東情勢がきな臭くなってきた。今日はフジタの宗教画に感激したのだが、どうも人を救い平和をもたらすはずの宗教というものが人類の争いごとの根源にあるのはどうしたことであろうか。イスラエルとイスラム過激派ばかりでなく、インドとパキスタンの対立も宗教問題がある。過激派とか原理主義というのはイスラム教だけではなく、キリスト教やユダヤ教などにもある。仏教においては、日蓮が原理主義者ということになるのであろうか。しかし、日本の信仰的風土と歴史は、包容力に富み寛容である。中世・近世はともかく、現代においては、日蓮宗のお寺と真言宗や念仏宗のお寺が武力闘争をしているなどということは聞いたことがない。

|

« 千駄木庵日乗十二月二十七日 | トップページ | 千駄木庵日乗十二月二十九日 »

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/121949/43560442

この記事へのトラックバック一覧です: 千駄木庵日乗十二月二十八日:

« 千駄木庵日乗十二月二十七日 | トップページ | 千駄木庵日乗十二月二十九日 »