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2008年10月29日 (水)

千駄木庵日乗十月二十八日

午前は父に付き添って病院に赴く。定期的な診察と治療。

午後は、上野公園の東京国立博物館平成館で開催中の『尾形光琳生誕三五○周年記念・大琳派展』参観。

「光琳は、斬新な装飾芸術を完成させ、『琳派』という絵画・工芸の一派を大成させました。琳派は、代々受け継がれる世襲の画派ではなく、光琳が本阿弥光悦、俵屋宗達に私淑し、その光琳を、酒井抱一らが慕うという特殊な形で継承されてきました。本展は、その琳派を代表する本阿弥光悦・俵屋宗達・尾形光琳・尾形乾山・酒井抱一・鈴木其一の6人の優品により、琳派芸術を展望しようとするものです。同じテーマの作品を比較しながら見ることで、琳派の系譜を具体的にたどると同時に、各作家の独自性も明らかにしようという企画です。絵画、書跡、工芸など、各分野の名品により、琳派の豊かな芸術世界をお楽しみください。」(案内書)との趣旨で開かれた。

本阿弥光悦 の「黒楽茶碗」、俵屋宗達の「白象図杉戸」、尾形光琳の「燕子花図屏風」「扇面貼交手筥」、尾形乾山の「染付金銀彩松波文蓋物」、酒井抱一の「夏秋草図屏風」、鈴木其一の「群鶴図屏風」などを見る。俵屋宗達・尾形光琳・酒井抱一が描いた三つの「風神雷神図」が並んで展示されていた。慶長年間から安政年間までに渡って創作された作品である。

琳派」というのは、古典大和絵の近世化、装飾画とか言われているが、日本独自の芸術性がもっともよく表現されていると評価されている。確かに、迫力のある作品が多かった。久しぶりに見ごたえのある展覧会であった。

「琳派」は、自由闊達な作風である。背景に金銀箔を用いたりしているので行ってみれば贅沢なものであるが、嫌みは全く感じられなかった。日本美術の見事さがよく表れている。けばけばしさ、ゴテゴテしたところがなく、素直に美しい、見事だと、感じられた。

「琳派」の藝術は、徳川三百年の泰平が生んだともいえる。徳川家康は「狸おやじ」とか言われて評判はあまり良くない。確かに徳川氏が天下をとるためには汚い手を使ったであろう。残虐なこともした。しかし、戦乱の世を泰平に導き、それが三百年近く続いたことも事実である。そして、宗教・美術が栄えた。京都などの寺院には、家康・秀忠・家光時代の再建・修復が多い。織田・豊臣という先駆者がいた上の事ではあるが、徳川氏の功績は大であったとしなければなるまい。

帰途、知人と懇談。

帰宅後は、『大吼』用の萬葉集講義の原稿執筆・完成・送付。

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