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2008年9月 1日 (月)

千駄木庵日乗八月三十一日

未明、父の容態に変化があり、看護。小康を得る。

午前は父母のお世話。訪問看護師の方と共なり。

午後、皇居東御苑内の宮内庁三の丸尚蔵館にて開催されている「帝室技芸員と一九○○年パリ万国博覧会」展参観。

明治三三年(一九○○)に開催されてパリ万国博覧会に出品された帝室技芸員の作品が展示されていた。「わが国の近代美術工芸史上重要な重要な作品であり、その美しさと歴史的意義を考える機会とする」という「趣旨」の展覧会である。

橋本雅邦の『龍虎図』、石川光明の『古代鷹狩置物』、並河靖之の『四季花鳥図花瓶』、野口幽谷の『智仁勇』、紹美栄祐の『嵐山宇治川図花瓶』などを見る。それぞれ見事な作品ばかりであった。わが国の絵画・工芸品などの緻密さ・美しさは世界に比類がないと思う。

夕刻、知人と懇談。

帰宅後は、書状執筆など。

                ○

ルーブル美術館、ヴェルサイユ宮殿、ヴァチカン、大英博物館、故宮博物館など、外国の帝室、王室の美術館などと比較すると、日本皇室の美術館そして宮殿の何と質素なことか。京都御所も、昭和新宮殿も、質素にして清らかで美しい。美術品も清らかでけばけばしさがない。私の個人的感想を言えば、畏れ多いことながら、もう少し大きな美術館が建てられてもいいと思う。

尚蔵館には外国から奪ってきたものは一つも存在しない。しかも、今日宮内庁の所蔵品となっている。つまり政府のものなのだ。皇室の財産ではなくなっているのである。皇室には「私」が無いのであるから、無理に皇室財産を無理に政府管理に移行させる必要はないと思う。戦後の、皇室弱体化はまことにひどいものである。徳川幕府・足利幕府すら行わなかったようなことをしたのである。

日本皇室は、覇者ではなく、祭祀主としての宗教的・信仰的権威であらせられるがゆえに、何もかもが、清らかで簡素でしかも侵し難い神聖性があるのである。


 

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