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2008年8月 6日 (水)

千駄木庵日乗八月五日

午前は父に付き添って病院に赴く。定期的な診察と治療。

午後からは在宅して「政治文化情報」の原稿執筆。

          ○

鈴木邦男氏から、氏の近著「愛国の昭和」という本をいただいた。相当の決意で書いた本とのことである。

鈴木氏のブログで、「本が出ます。私の最後の本です。今まで皆さまには本当にお世話になり、ご迷惑をかけてきましたが、これが最後です。私ごとき人間にお目をかけて頂き、本当にありがとうございました。本の帯には、『これは鈴木邦男の遺書である!』と書いてあります。手に取ってよくご覧になって下さい。すかしで、そう読めるはずです。今日、全国の書店に並びます。でも私はそれを見ることが出来ません。遠い所へ旅立っているからです。本の題名です。『愛国の昭和』です。サブタイトルは『戦争と死の七十年』です。本を手に取って、異様な感じがするでしょう。ギョッとするでしょう。真っ黒な本です。死です。葬式です。〈遺書〉らしくていいでしょう。あの有名な『鈴木成一デザイン室』がブックデザインをやってくれました。天才です。私は何も言いませんでしたが、私の〈遺志〉を汲み取って、こんな素晴らしい死のデザインをしてくれたのです。発売は講談社です。途中、何度も『やめよう』『引き返そう』と思いました。こんな本を出したら何と批判されるか分からない。全国民から総スカンだ。一水会にもいられない。いや、『国賊だ!』『売国奴め!』と右翼に殺されるでしょう。でも、殺される前に死んでしまえば、テロも無効です。怖いものはありません。そう心を決めて書き、出版しました。」などと書かれていた。

九月に國體学会主催の講演会で講演をされるという予告があったので、まさかとは思ったが、びっくりして鈴木氏に電話をしたら、まだご存命で、意外に元気そうな声で、「心配かけてすみません。そういう意気込みで本を書いたのです。」と言われた。そして昨日本が贈られて来た。

鈴木氏とはもう四十年来のお付き合いだが、著書をいただいたのは初期の二冊の著作以来のことと思う。しかし、本に添えられたお手紙には、「ご心配かけてすみません。これがその本です。それだけの覚悟と決意をして書いたものです」と書かれてあった。やはり尋常ではないようである。

まだ精読してはいないが、「散華の美」「玉砕」「死」「戦争」について鈴木氏のこれまでの勉強と実践活動をもととして本当に真剣に書いておられる。「天皇」「神」「死」についての日本人の信仰はいかなるものであるかという根本命題について論じていると思う。精読していないので、論評はできない。しかし、私は、やはり「記紀」「萬葉」にそのことは正しく示されていると思う。そこに回帰することが大切だと思う。「日本民族は、ただ単に死を讃美し死に憧れる民族ではない」というのが私の理解である。また、日本の神々は全知全能唯一絶対無謬の神ではない。そんなことは鈴木氏には分り切ったことだと思う。

鈴木氏が本当に真剣に日本人の信仰・心情そして日本民族の歴史・戦争について考えておられることがわかって良かった。これ以上のことはここでは書かないことにする。

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