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2008年7月 4日 (金)

主張

石原氏の國體観について

四宮正貴

石原慎太郎氏の國體観・皇室観・歴史観については、かねてより大きな疑念を抱いていた。

小生は、本年二月二十五日の「千駄木庵日乗」に次のようなことを書いた。

「昨日、新聞雑誌などの資料を整理しつつ、八年前に録画したビデオを見ていたのですが、八年前の都知事選に立候補した石原慎太郎氏が、テレビのインタビューに答えて、『君が代は含蓄のある歌だか、歌詞は良くない』と言っていたのには驚きました。石原氏は、ナショナリストではありますが、尊皇精神は希薄であるということをあらめて認識しました。」

また、昨年二月二十二日の「千駄木庵日乗」には次のようなことを書いた。

「資料整理をしていましたら、昨年十二月二十一日の『朝日新聞』に、石原慎太郎都知事が、『二〇一〇年の夏季五輪招請組織の名誉総裁に皇太子同妃両殿下にご就任をお願いする』意向を示したという記事が載っていました。その後、このことがどうなったか知りませんが、私はそういうことをお願いすべきではないと思います。もしも万一、招請できなかったら、皇室にご迷惑がかかる事態になるのではないでしょうか。こういう先行き不透明な問題、しかも、他の国との競争をしなければならない事、まして、都知事選の争点にもなる問題に、皇室にお関わりいただくのは慎むべきであると思います。

石原氏の都知事としての実績は大いに評価しますし、彼の国防問題・外交問題などに対する姿勢は高く評価します。民主党推薦の変な人が都知事になるよりは石原氏の三選の方がよっぽど良いと思います。しかし、石原氏の皇室への姿勢はいささか問題があると思います。

私は、天皇・皇室は神聖不可侵のご存在であると思っております。政争や国際競争のただ中に皇室・皇族を巻き込むのは厳に慎むべきと思います。」

 石原氏は、本年二月六日号の『サンケイ新聞』に掲載された「日本よ」というエッセイ次のように論じた。

「天皇は本質的に宗教というよりも、宗教的しきたりも含めて日本の文化の根源的な資質を保証する祭司に他ならない。過去の歴史の中で天皇はさまざまな形で政治に組みこまれ利用もされてきた。武士台頭以前の時代には公家支配の核とされ、近代にいたり軍閥跋扈の時代には大元帥として軍事の統帥者とされ、太平洋戦争時には人間ながら現人神(あらひとがみ)にさえされてしまった。

 それらの時代を通じて天皇に関わる事柄として日本人が一貫して継承してきたものは、神道が表象する日本という風土に培われた日本人の感性に他なるまい。そして天皇がその最大最高の祭司であり保証者であったはずである。

 私がこの現代に改めて天皇、皇室に期待することは、日本人の感性の祭司としてどうか奥まっていただきたいということだ。戦後からこのかた皇室の存在感の在り方は、宮内庁の意向か何かは知らぬが、私にはいささかその本質からずれているような気がしてならない。たとえば何か災害が発生したような折、天皇が防災服を着て被災地に赴かれるなどということよりも、宮城内の拝殿に白装束でこもられ国民のために祈られることの方が、はるかに国民の心に繋がることになりはしまいか。その限りで私にとって天皇が女性であろうとなかろうと関わりないことと思われる。

 その故にも、以前にも記したが天皇陛下には是非々々とも靖国神社にお参りしていただきたい。それは『靖国』が決して政治問題などではなしに、あくまで日本の文化神髄の事柄なのだということを内外に示す決定的なよすがとなるに違いない。」

皇太子殿下に「オリンピック招致活動の『旗頭』として活動いただきたい」と表明し、政府を通じて、皇太子殿下に「要請」するなどいうことは、石原氏自身のこの主張と全く正反対の行為である。石原氏は一体何を考えているのであろうか。

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受信: 2008年7月 4日 (金) 19時22分

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