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2007年12月30日 (日)

千駄木庵日乗十二月二十九日

午前は父母のお世話。訪問看護師の方と共なり。

午後からは、在宅して手紙の執筆。年末の忙しさにまぎれて書けなかったご返事を書きました。そしてその他の雑務。

          ○

長州(山口県)に住む友人への手紙への手紙。

「謹啓

時下ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。

大変ご無沙汰いたしております。また先達てはご鄭重なるお手紙をいただきありがとうございました。

永井荷風は私が師と仰いでおりました故中河与一先生の「天の夕顔」を高く評価したことで、興味を抱き、「全集」を通読いたしました。東京下町を題材にした小説・随筆が多く、また、近代批判も大変面白く、私の好きな作家であります。というよりも、「全集」をすべて読んだ作家は、永井荷風と中河与一のみであります。

「キリスト教と日本」については大変重要なテーマだと思います。特に貴兄の言われる「神道のキリスト教化」は大変重要です。また、文語訳の聖書と讃美歌は近代日本翻訳文学として素晴らしいと思います。日本人がいかに優秀であるかが分かります。

私の大学時代の恩師は、評論家でもあり牧師でもあった佐古純一郎氏でした。佐古先生は、父と同郷の徳島ご出身でした。中学で同級生でした。ということは、私は阿波の徳島の血が流れているということであります。母方の先祖は、江戸の人です。

ところで、西南戦争の西郷隆盛、佐賀の變の江藤新平については色々論じられていますが、萩の變及び前原一誠についてはあまり論じられていないように思います。何か文献などがございましたら、ご教示くださいませ。西南戦争・佐賀の變・神風連の變と同じように「不平士族の反乱」で片づけられているのは納得がいきません。

中原中也については全く不勉強です。お許しください。

安倍晋太郎氏は残念なことでした。しかし彼にそれだけの自覚と信念と体力があればまた再起することも可能でしょう。

小生は、薩長藩閥政治を全面否定するわけではありません。全面否定は近代日本の歩みの否定になります。それはできないことです。しかし、私は「敗者の側に正義がある」という言葉好きなのです。

色々な事情により、ご返事が大変遅れましたことを衷心よりお詫び申し上げます。

貴兄のますますのご健勝とご健筆を祈念いたしております。御母上に何とぞよろしく御鳳声下さいませ。どうか佳き年をお迎え下さいませ。                     謹白

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