« 千駄木庵日乗十月二十三日 | トップページ | 千駄木庵日乗十月二十六日 »

2007年10月26日 (金)

千駄木庵日乗十月二十五日

午前は父のお世話。訪問看護師の方と共なり。

午後一時半より、高円寺の教育創造研究所にて、「しきしまの会」開催。小生が、和歌と祭祀について講義。質疑応答。終了後、出席者と懇談。

帰宅後は、書状執筆など。

            ○

今日の「しきしまの会」では、次のようなことを申し述べました。

「あはれ あなおもしろ あなたのし あなさやけ おけ おけ」                    『古語拾遺』

「にほ鳥の葛飾早稲(わせ)をにへすともその愛しきを外(と)に立てめやも」              『萬葉集』東歌

「誰(たれ)ぞこの屋の戸押()そぶる新嘗(にふなみ)に吾背を遣()りて齋(いは) ふこの戸を」      『萬葉集』東歌

「熟田津(にぎたづ)に 船乗りせむと 月待てば 潮もかなひぬ 今は漕ぎ出でな 」                 額田王

「君が代も わが世も知るや 磐代(いはしろ)の 岡の草根を いざ結びてな」                   中皇命

「磐白(いはしろ)の 濱松が枝を 引き結び まさきくあらば またかへり見む」                 有間皇子

「立つ石に むかしをしのび をろがめば 神のみいつの いやちこにして」              北白川宮房子内親王

という和歌を講義し、以下のやうなことを話させていただきました。

「まつり」とは厳粛なる行事ではあるが、堅苦しい苦行ではない。明るく愉快な行事である。神人融和・神人合一の状態は明るく面白いのである。

神話の世界も萬葉の世界も、新嘗祭は女性が執行されてゐる。女性は穢れがあるから祭りをしてはならないといふのは日本の太古からの傳統に反する主張である。女性天皇・女性皇族は、祭祀を行ひ得ず、且つ、軍の統率も行ひ得ないといふことは絶対にない。それは、神功皇后・斎明天皇などの御事績を拝すれば明らかである。

天之御中主神と一体の関係にある高御産巣日神、神産巣日神は、「生(む)す」といふ「天地生成の働き」を神格化し神の御名で表現したのである。「ムス」は生き物が自然に生ずる意、「ビ」は靈力の意である。また、「生産」「生成」を表はす「ムス」と「神靈」もしくは「太陽」を表はす「ヒ」との合成であるといふ説もある。ともかく高御産巣日神、神産巣日神は、生命力の根源の神である。本居宣長は「凡てものを生成(な)すことの靈異(くしび)なる神靈(みたま)」としてゐる。高御産巣日神は男系の神であり、神産巣日神は女系の神であるとされる。

|

« 千駄木庵日乗十月二十三日 | トップページ | 千駄木庵日乗十月二十六日 »

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/121949/16874964

この記事へのトラックバック一覧です: 千駄木庵日乗十月二十五日:

« 千駄木庵日乗十月二十三日 | トップページ | 千駄木庵日乗十月二十六日 »