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2007年8月20日 (月)

千駄木庵日乗八月十九日

午前は父のお世話。訪問看護師の方と共なり。

午後からは書状執筆など。

               ○

今日書いたある宗教家の方への小生の手紙を掲載します。

「残暑お見舞い申し上げます。

何時も大変お世話に相成っております。

さて、この度はお心にかけて頂き、貴重なる御論考をお送りいただき感謝に堪えません。厚く御礼申し上げます。

経済の事は全く素人でよくわかりません。「働かざる者食うべからず」が鉄則だと思いますが、啄木の歌ではありませんが、働いても食えない人が多く存在する世の中であってはならないと思います。

裁判制度は、裁判官に法律の知識があるだけで世の中の実際をあまり理解していない人が多いことが大きな問題だと思います。そこに裁判員制度導入が行われる所以があるのでしょうが、果たして成果があがるかどうか、結果を見なければ分りません。

大学の粗製乱造も問題です。これも規制緩和ということなのでしょうか。ジョン・デューイの教育論の根幹そしてアメリカのプグマティズムには、キリスト教精神があると思います。教育とは知識の詰め込みだけではなく(もちろんそれも大切ですが…)、人間内在の神性を開発し訓練するということだと思います。ところが戦後日本の教育は、肝心の「神」を忘却し、欲望の解放が「民主教育だ」ということになってしまったのだと思います。それが今日の教育荒廃の根本原因であります。

先生仰せの通り、わが國教育の基本は、「國體を護る思想哲理の研鑚」であります。わが国伝統信仰を教育することが大切であります。これさえ確立していれば、政治経済がいかなる状況になろうとも、日本が滅びることはないと信じます。

ただし日本の伝統信仰は、お題目を唱えていればあるいは神に祈っていれば何でも解決するというのではなく、「神ながらの道」を踏み行うことが大切なのだと思います。

ユダヤ問題については、私は全く素人です。営利至上主義・金銭至上主義が世界を支配しているということは大きな問題でありますが、何でもかんで「ユダヤが悪い」というのも納得できません。これはキリスト教の「聖書」に書かれているユダヤ人への憎悪と報復の思想がその底流にあると思います。共産主義者が何でもかんでも「資本家が悪い」「アメリカ帝国主義・日本独占資本が悪い」と言っていたのと同じで、一神教的思考だと思います。

「神社神道には、団結を促す強烈な個性はない」とのご指摘ですが、近代日本の「神社神道」は宗教性を剥奪され、単なる儀式の場となってしまったきらいがあるのは確かであると思います。一神教や教団宗教のような個性は希薄ですし、教団的結束力はありません。

いわゆる宗教性は教派神道が担って来たと思いますが、やり過ぎると、国家権力に弾圧されました。わが国の伝統信仰=神社神道は、排他独善の教義を宣布する宗教教団ではありません。そういう意味の宗教性は本来ないと思います。これはなかなか難しい問題であります。

先生仰せのわが国における「共同我=自己同一性」とは、天皇を祭祀主と仰ぐ祭祀共同体への帰一意識であると思います。それを回復し國體の真姿を顕現することが今日的課題であると信じます。それがまた、危機に瀕する世界救済の原基になると思います。

色々蕪辞を並べましたが、先生の御論考を拝読した感想を申し述べさせていただきました。申し訳ございません。また色々御教示賜れますれば幸甚に存じます。この度はまことにありがとうございました。

末尾とはなりましたが、先生の一層のご健勝とご活躍を祈念申し上げ、擱筆させていただきます。」

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