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2005年8月29日 (月)

日誌八月二十八日

終日、書状作成と原稿執筆をして過ごしました。

毎月小生が行ってゐる『萬葉集』講義を文章化し雑誌原稿にする作業です。

今月は柿本人麻呂の挽歌です。日本で火葬が行はれるやうになった時代の歌で、

「山のまゆ出雲の児らは霧なれや吉野の山の嶺にたなぴ゙く」

とふ歌があります。

「山の端から立ちのぼる出雲から来た娘の遺体を焼く煙は霧だ゚らうか、吉野の山の嶺に棚引いてゐるなあ」といふ意です。

年若く可愛い娘を火葬した煙を霧に見立てて、それが吉野山に棚引きやがて天にのぼって行くといふのです。これほど人の死を美しくうたった歌は少ないと思ひます。

日本人の霊魂観・死生観が、自然の美しさと共に表現されてゐます。悲しくも美しい歌です。

現代日本の醜悪な姿を見れば見るほど、『萬葉集』の世界に憧れます。

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