「現行憲法」には、天皇及び日本國家の時間的連続性・歴史的伝統性がまったく書かれていない
「現行占領憲法」はまさに國體破壊・國體隠蔽の亡国憲法である。一刻も早く全面否定しなければならない。「現行占領憲法」は「日本の歴史や伝統、わが国独自の国柄」についてはどこにも書かれてゐない。「現行占領憲法」はまさに無国籍・國體破壊・國體隠蔽の亡国憲法である。一刻も早く改正か失効宣言が必要である。しかし、改正も失効宣言も文字通り「七十四年河清を待つ」難事である。しかも、先帝陛下も今上陛下の「憲法を守り」と繰り返し仰せになってゐる。非常に悩ましいことである。日本国民が絶対に守るべき規範である「承詔必謹」と我々の永年の主張である「現行憲法否定」とをどう考へればいいのであらうか。以上が、小生が最近、天皇・皇室と憲法について思ってゐる重要問題である。
日本の伝統的な國體思想おける天皇は、「日本の統治者、統べ治める方である」と仰がれてきた。
天地開闢以来、國家の統治者たる天皇の地位は変はらないものであることを、「現行憲法」は隠蔽してゐる。天皇を非常に限定的なご存在として規定してゐる。
天皇陛下は日本國民を一つに統合する中心的存在、空間的に國家と國民を統一、統合するという御役目を持ってゐる。「現行憲法」もそれを否定できず、「日本國憲法」といふ名の「占領憲法」の第一条には、「天皇は日本國の象徴であり、國民統合の象徴であって、この地位は主権の存する日本國民の総意に基づく」と書かれてゐる。
しかし、なにゆゑ天皇が空間的に國家と國民を統合されるのかが、今の「占領憲法」には書かれてゐない。
國家・人間は空間的存在であると共に時間的存在である。時間と空間、時間といふ縦軸と空間といふ横軸の中心にあるのが人間であり、國家である。
天皇も然りである。ところが、「現行憲法」には、天皇及び日本國家の時間的連続性・歴史的伝統性がまったく書かれてゐない。
三島由紀夫氏は、「歴史、傳統、文化の連續性と、國の永遠性を祈念し保障する象徴行爲である祭祀が、なほ最も重要な仕事であり、存在理由であるのに、国事行爲としての『儀式』は、神道の祭祀を意味せぬものと解され、祭祀は天皇家の個人的行事になり、國と切り離されてゐる。しかし、天皇が『神聖』と完全に手を切った世俗的君主であるならば、いかにして『象徴』となりえよう。『象徴』が現時點における日本國民および日本國のみにかかはり、日本の時間的連續性と關はりがないならば、大統領で十分であって、大統領とは世襲の一點において異なり、世俗的君主とは祭祀の一點において異なる天皇は、まさにその時間的連續性の象徴、祖先崇拝の象徴たることにおいて、『象徴』たる特色を擔ってゐるのである」(『問題提起』(日本国憲法))と論じてゐる。
三島由紀夫氏が『文化防衛論』で説かれたやうに、天皇は時間的連続性、歴史的伝統性を保持しておられる。そしてそのことが、まさに日本を統一、統合できる神聖な御方である根拠なのである。
天皇が、日本國の歴史と伝統、また日本國民の過去、現在、将来における日本國民の伝統的な意思といふものを体現される御方といふことが、「憲法」に明確に規定される必要がある。
『現行憲法』は天皇の神聖性を全く取り除いてしまってゐる。そこに日本の道義的頽廃の原因の一つがあると思へる。
「現行占領憲法」は、押し付け当時のアメリカ占領軍の中でも、左派、共産主義者に近い人が起草したと言はれてゐる。将来的には日本の君主制を廃止すべきであるという戦勝国の企みのもとに押し付けられたのが「現行占領憲法」である。
ともかく、「國民統合の象徴」といふ言葉だけでは、天皇の御本質は正しく明示されない。やはり「大日本帝國ハ萬世一系ノ天皇之ヲ統治ス」といふ「大日本帝國憲法」の規定が正しいのである。憲法には萬世一系という歴史的伝統性が明示されなければならない。
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